8コア搭載の爆速iMac (Early 2019) 登場!CPUはCore i9-9990Kか?

昨年から、Xeonを搭載したワークステーション級のiMac Pro, 6コアCPUを備えたMac miniやMacBook Pro等のハイスペックモデルの発売が続き、Appleが暫く振りにプロユースを見据えた新製品攻勢を続けています。

ところが、昨年は話題に上がらなかった製品があります。
“Pro” の陰に隠れてしまった「無印」iMacです。

Appleは、有名なキーノート形式での発表会以外にも、マイナーアップデートを予告なく行うことがあり、これは「サイレントアップデート」と呼ばれています。
先ほどのiMacが昨夜、突如としてオンライン上で発表され、巷をざわつかせています。

なんといっても、我々プロにとって1番の目玉は、21.5インチ仕様と27インチ仕様の2サイズ内、後者にCTOオプションで用意されたCPU。
それには8コアのCore i9が搭載できるというではないですか!

仕様表には次の様に記載されています。

3.6GHz 8コア第9世代Intel Core i9プロセッサ(Turbo Boost使用時最大5.0GHz)

https://www.apple.com/jp/imac/specs/

私、このスペックに見覚えがあります。

2018年に発表された第9世代Coreプロセッサ(コードネーム「Coffee Lake-S Refresh」)のCore i9-9990Kです。iMacにはこれが積まれているものと考えて間違いありません。
ハイエンド向けのCore Xシリーズやワークステーション用のXeonシリーズを除けば、デスクトップ向けとしては最上位に位置するCPUです。
8コア16スレッドでの並列処理が可能であり、それこそ一昔前のXeonを彷彿とさせます。

さて、このCore i9-9990K、ゲームや動画処理においては、ひたすらに高速な性能を誇りますが、一方でその高い発熱でも有名で、私の耳にも冷却に苦慮するとの声が飛び込んできます。
Windows機の自作PCでは、わざわざ水冷クーラーを導入するユーザーさんも多いと聞きます。

昨年の6コア仕様のIntel Core i9-8950Kを積んだMacBook Proでは、高負荷がかかると、CPUの動作クロックを下げるサーマルスロットリングが発生するというバグがありました。
つまり、高熱や電圧の不安定さが原因でCPUが本来の性能を発揮できていない状態です。ネット上で相次ぐレポートに、Appleはすかさず修正パッチを配布してスロットリングの発生率の軽減に追われたという事件を思い出さずにはいられません。
それもこれも、Intelが10nmプロセスルールで作るCPUの開発に年単位で遅延していることに端を発しますが… 未だに14nmプロセッサーに依存せざるを得ないのは、完成品メーカー各社とも辛いところですね。

iMacの発表されている仕様を見たところ、これまでのモデルに比べて冷却系が強化されている気配も無く、果たしてCore i9の発熱を抑えられるのか心配になります。
サーマルスロットリングが頻繁に発動するようでは、高価なオプション代を払って見かけのスペックを盛るだけで、まるで意味を成しません。

昨夜の製品発表を受けて、ロングハウススタジオでも早速導入検討中ですが、業務で使うマシンだけに「初モノ」の人柱になるわけにもいかず、しばらく様子見することにしました。


追記 2019年4月3日

Core i9モデルのレビューが各所でアップされ始めたので、早速見ていきましょう。
私の目に止まったのはMax Techというアカウントの動画。
[参考] Does the 2019 i9 5K iMac Overheat?

この中で同モデルに対して疑問に思った箇所が2点ありました。

まず、1点目。3:06あたりからご覧になると良いと思いますが、ベンチで負荷をかけた際のCPU温度は85℃前後を行き来しています。
それなのに、ファンは50%程度の出力でしか回っていないというのが不思議で、ロジックボードの長期的な耐久性にどう影響してくるのか気になるところです。

2点目は、動画内でのCinebench R15のスコアが1682に留まっていること。
Windows機に搭載されたCore i9-9990Kでは、軒並み2000オーバーを記録しており、iMacではCPUの性能がフルで発揮されていない可能性が考えられます。
こちらはOSやロジックボード側でPower Limit 1 (PL1) とPower Limit 2 (PL2) の閾値を低く設定しているのでしょう。
高負荷となるTurbo Boostをかける際やTBあるいはそれに近い状態が長時間持続する際には、電力を制限する制御が働いているのだと思われます。

なにかモヤモヤが取れないところではあるので、同業の詳しい方に近々この疑問をぶつけてみるつもりです。

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